難聴と一言で言われがちですが、その実情は様々です。高い音が悪くなるタイプ、低い音が悪くなるタイプ、これらは決まった高さの音を片耳ずつヘッドホンで調べることが出来ます。特定の音を特定の大きさで調べる「聴力検査」は基本となるものです。聴力検査は患者さん1人だけが入れる小さなボックスで行うこともできますが、当院では規格を満たした十分な広さ(6畳を越える)の防音聴力検査室を備えています。ほぼ完全な無音室で、各種の聴力検査を行うことができる理想的な環境です。これにより実際の生活での、ヘッドホンではなく両耳での聞こえや、言葉の聞き取りを知ることもできます。
また、まだあまり知られていませんが難聴の原因の約半分は遺伝子によるものです。その遺伝子には多くの種類があり、それぞれによって何歳ごろにどの程度の難聴になるか、難聴は悪くなっていくか悪くならないか、難聴以外の病気になる可能性があるか、など様々な情報が得られます。当院では、各患者さんの難聴に関する詳細な情報をもとに、適切な対応を行い、その後も必要な検査で評価します。

難聴

文責 北尻真一郎(耳鼻咽喉科専門医、臨床遺伝専門医)